サッカー界の英雄、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナさんが死去してから、25日で1年を迎えた。
ピッチの内外で放った強烈な存在感は今もなお色あせない。

 1986年のワールドカップ(W杯)メキシコ大会で頂点に立ち、「神の手」や「5人抜き」など数々のプレーで世界に衝撃を与えたマラドーナさん。
代表活動とともに最も輝いたのはイタリア1部、ナポリでプレーした84〜91年だった。
特に86〜87年シーズンにはクラブ初のリーグ優勝をもたらし、今も市民から早すぎる死を惜しむ声が絶えない。
今季のリーグ戦で首位を走るナポリはマラドーナさんを追悼し、その肖像と指紋をあしらったユニホームを11月の公式戦で着用している。

 ただ、マラドーナさんの人生には暗部もつきまとう。
選手時代から薬物問題をはじめとする数々のトラブルで知られたマラドーナさんだが、死後もニュースの対象となり続けている。
2020年11月25日、ブエノスアイレス近郊の自宅で60歳で亡くなった際、死因は急性心不全と伝えられた。
だが、今年5月、アルゼンチンの検察は担当医や看護師ら7人を殺人罪などで起訴した。
瀕死(ひんし)の状態にあったのに適切な対応をしなかったとしている。
今月22日にはキューバ人の女性が記者会見し、約20年前にマラドーナさんから性的暴行を受けたことを明らかにした。

 光と影に彩られた人生は良きにつけ、あしきにつけ、これからも語り継がれていくに違いない。

https://mainichi.jp/articles/20211124/k00/00m/050/324000c