学校トイレ、コロナ禍で改善加速「5K」解消へ

新型コロナウイルス感染症対策の一環で、学校トイレの環境改善が進んでいる。洋式は和式に比べて飛沫(ひまつ)拡散防止効果などがあるとされ、自治体が整備を加速。

手洗い場も蛇口をひねる必要のないセンサーを使った自動水栓化が進む。臭い、汚い、怖い、暗い、壊れている−。ときに「5K」とも揶揄(やゆ)される学校現場の鬼門≠ェ、コロナ禍の追い風を受けて急ピッチで生まれ変わりつつある。

昨年9月に新築された東京都板橋区立板橋第十小の校舎には、学年ごとに男女1カ所ずつのトイレがある。例えば、校舎1階の男子トイレ。天井から床まである大きなガラス窓から採り入れた日光が淡い赤色のカラフルな壁を照らし、利用者に安心感を与える。

床はビニール系素材を使った乾式。個室の便器は床から離れた壁掛けの洋式で、清掃しやすい環境になっている。手洗い場もかざせば水が出る自動水栓式だ。

「リラックスできる環境であることが大切。家庭で洋式が主流になり、子供たちは使った経験がない和式では用を足しづらくなった。生理現象を我慢すれば、心身の健康にも影響する」。中川久亨(ひさみち)校長はトイレ環境の重要性を語る。

平成29年に文部科学省が杉並区内の小学校で実施したアンケートでは、改修前のトイレで過半数の児童がトイレに行くのを我慢していることが判明。「汚い」「臭い」「和式」など環境が主な理由で、改修後には9割近くが我慢することが減ったと答えている。

https://www.sankei.com/article/20211126-FGB7D5BQMVIHVFROBAHQSFUQQ4/

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