積極的なアプローチは「暴力的」か

ここでまず、「モテない」とされている男性の話をしよう。男性にとって、モテる・モテないは10〜30代で大きな価値をもちうる。クラスでモテる男性はそのまま学校でも人気者になれる可能性が高い。女性の場合はモテていても、それだけで同性の人気を勝ち得るわけではない。これは顕著な違いだ。

著書『モテたいわけではないのだが』でも書いたが、20代男性のヒアリング調査をしていると「そつなく高校・大学時代に彼女ができて、そのまま結婚」という人生設計が、大きな支持を得ている。20代男性の4割に女性経験がない以上、この「そつなく彼女ができて結婚」は十分モテる方に入る。

そつない人生経験ができないことは、男性を苦しめ、ときに嫉妬に変わる。なぜあんな奴らがモテるのに、自分らには彼女のひとりもできないのか、と。

というのも、モテに苦しむ男性から見て、モテる男性は「暴力的」にすら見えるからだ。相手の女性が迷惑だと感じているかもしれないのに、グイグイ話かける。軽いノリでデートに誘う。そして言葉で「キスしていい?」と質問すらせず、キスをする。あるいは、その先へ行く。

過去に取材したある男性はこう語った。

「女性はレイプされたがっているんですよ。だって、セックスしてもいい?って、女性へ聞いたら冷めるって言うじゃないですか。女に性的合意なんて、無理なんですよ」

彼らから見れば、日常で起きているすべての恋愛は「暴力的」なのだ。

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