県警は25日、越谷市内を緊急走行中のパトカーが住宅の塀に衝突する交通事故を起こし、
同乗していた越谷署地域課の佐藤正人警部補(56)=千葉県野田市中野台=が搬送先の病院で死亡したと発表した。

 県警交通捜査課によると、事故は19日午後11時ごろ、越谷市東越谷1丁目の市道交差点で発生。
佐藤警部補ら3人が乗るパトカーが警戒中、信号無視のバイクを発見。緊急走行で約250メートル追跡し、
同交差点を右折した際、道路をはみ出し、左側にあった住宅のブロック塀に衝突した。

 佐藤警部補は後部座席に乗車。腹部の痛みを訴えて救急搬送され、約4日後の24日午前1時6分ごろ、
死亡が確認された。死因は敗血症性ショックで、シートベルトで腹部を締め付けられた可能性があるという。

 現場は片側1車線で信号機のない交差点。交通捜査課は「緊急走行は現時点で適正と認められる」としている。
逃走したバイクの行方は分かっていない。

 パトカーを運転していた同署地域課の男性巡査部長(26)について、
自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いもあるとみて、事故原因などを調べる。

 県警警務課によると、公務中の殉職者は平成以降4人目となる。

 越谷署の塩原克利副署長は、「職員が亡くなったことは大変残念。原因を究明し、
このような事案の絶無を期す」とコメントした。
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