今回は著書、『コンビニには通える引きこもりたち』(新潮新書)から「引きこもりと発達障害」について紹介する。

シンスケ君(仮名)は、現在20歳。おとなしいタイプでしたが、中学では友人は数人いました。高校では一時期不登校になりながらも何とか卒業。
何もしない生活を送っていましたが、1年後に「これならできるかも」と倉庫の仕事を自分で見つけ、働き始めました。

 自信が持てなかったのか、週2日という少なめの日数からスタート。きちんと出勤していたのですが、いきなり「やめたい」と言い出し、5ヶ月で退職しました。何があったのか、親には話してくれません。それから1年、引きこもり生活を送っています。

「今思えば子どものころから、『おや?』と思うことはありました。例えば『お茶碗を洗っておいて』と言うと、本当にお茶碗しか洗っていない。流しにある他のコップやお皿は洗わずそのままでした」と母親は言います。
あいまいな指示をされても分からない、一度に複数の指示をされると最初の方は忘れている傾向があり、親は発達障害を疑っています。

引きこもりと発達障害も、よく混同される組み合わせです。「引きこもりのほとんどは発達障害だ」と言っている人もいますが
こちらが相談を受けている中で、検査をすれば発達障害の診断が下りるのではと思われるケースは、3割程度ではないでしょうか。

https://bunshun.jp/articles/-/40227