兵庫県は26日、県立がんセンター(明石市)で8月に行われた50歳代男性に対する早期の腎臓がん手術で、誤って腫瘍がない部位を切除し、その後の再手術で左の腎臓を全摘出する医療ミスがあったと発表した。
県は今後、男性に対する損害賠償に向けて協議する。

発表によると、男性のがんは早期のステージ1で、50歳代の執刀医と30歳代の助手の医師が8月30日、手術支援ロボット「ダビンチ」を使って左の腎臓の腫瘍を摘出する手術を実施。

その際、2人は検査画像の腫瘍の位置を見誤り、正常な部位を切除し、切除した部位に腫瘍が含まれているかも確認していなかった。

 術後、切除部位に腫瘍がなかったためミスが判明。男性は9月3日に再手術を受け、左の腎臓を全摘出した。本来は10分の1程度の切除で済んだといい、男性は職場復帰したものの、腎機能は低下したままという。

 男性の腫瘍は腎臓の表面からは見えず、2人の医師はこのタイプのがん手術の経験がなかった。県は、手術に経験者を担当させるなどの再発防止策を講じる。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211127-OYT1T50028/