https://news.yahoo.co.jp/articles/74bebd3c6202f7fd99aaf9b15a25662c39c6e9c3

「猫バンバン」は効果的なのか? エンジンルームに猫がいたらどうする ??

2021年9月、首都高走行中に猫の鳴き声に気づいたドライバーが、エンジンルームから子猫を3匹救出した、というニュースが報じられました。
JAFによると、2018年1月1日〜1月31日の1か月間で、ドライバーから「エンジンルームに動物がはいり込んでしまった」との要請があった件数は27件。このうち「猫」が25件だったとのこと。
意外と多い、エンジンルームへの動物のはいり込み。前出のドライバーさんは、クルマの下に入り込んで3匹を救出したそうですが、動物の入り込みに気づいたらどう対応すべきなのでしょうか。はいり込みを防ぐ方法とともに、ご紹介します。
気をつけるのは冬だけではない!!
猫の寝床にピッタリな条件が揃っているエンジンルーム(写真はイメージ)
クルマのエンジンルームは、警戒心の強い野良猫にとって、狭く入り組んでいて外敵から身を隠しやすく、雨風もしのげ、安心して過ごすことができてしまう場所。寒い日に暖を取りに来ることもあるし、暑い日の日差しを避けるようにエンジンルームに潜ることもあります。寒い冬はより注意が必要な季節ではありますが、冬に限ったことではなく、「狭くて暗くて静か」、これが、猫がエンジンルームに入り込んでしまう要因です。
冒頭の事例も、発生は9月下旬のようで、やはり猫たちは安心して眠ることができる場所を求めて、このドライバーさんのクルマにはいり込んでしまったのでしょう。ちなみに、エンジンフードに潜りやすい動物は、猫のほかには、ヘビ、ネズミ、なかには鳥が巣を作っていた、という事例もあるそうです。
猫を発見したら?
エンジンルームのなかは、サスペンションやエンジン、ステアリングラック、トランスミッションなど、車のパーツが隙間なく詰め込まれているようにみえますが、エンジンの熱を逃がすため、わざと隙間が設けられています。猫たちは、このわずかな隙間にはいり込んでしまうのです。ちなみに、大人の猫には狭すぎて入るのが難しいため、エンジンルームのなかに入ってしまう猫の9割を占めるのは子猫のようです。
猫の侵入に気づいたら、まずはボンネットを開け、エンジンルームのなかを確認します。このとき、猫が確認でき、手を伸ばして救出できるようならいいのですが、姿が見えない、もしくは手が届かずに救出が難しいという場合、エンジンルームのパーツをコツコツと叩いてみたり、軽くクラクションを鳴らす、などして、猫が自ら脱出してくれるように促します。「他の猫の鳴き声を聞かせる」というのも有効なようです。
ポイントは「驚かせないこと」。怖がって、奥にはいり込んでしまう可能性があるため、あくまでも猫に「知らせる」イメージで、やさしく発するのがコツです。それらを試しても、どうしても出てきてくれない場合は、JAFなどに救援要請をしましょう。
対策は「猫バンバン」と「超音波発生器」
エンジンルームへの猫のはいり込み対策として、もっとも手軽なのが、通称「猫バンバン」。クルマに乗り込む前に、ボンネットを軽く「トントン」と叩くことです。こちらもやはり、強く叩きすぎるのは逆効果。日産自動車は、2015年から公式Twitterで「#猫バンバン」を発信、猫も人も安心して過ごせる社会を目指し、オリジナルロゴデータを無償配布するなどして、普及に努めています。
この「猫バンバン」は、猫に「居心地が悪く、嫌な場所」として猫に認識してもらう、という効果もあります。猫は気に入った場所には何度も戻ってくる習性があるため、いちど「お気に入り」認定されてしまうと、ちょっと困ったことにも。駐車場や近所で猫をよく見かける、という方は、ぜひクルマに乗り込む前のルーティーンとして取り入れてください。
また、近年注目されている猫の侵入対策が、超音波発生器の設置。人間が14k〜20kヘルツ(Hz)程度の音までしか聞き取れないのに対して、猫は100kヘルツ程度の周波数まで聞こえます。つまり、20k〜100kヘルツの音は、人間が聞きとれず、猫は聞き取ることができます。その周波数の音(超音波)を大きな音で流すことで、嫌がって近づかないようにするのが、超音波発生器です。
ただし機種によっては、耳がいい人には、いわゆる「モスキート音」が聞こえてしまう、ということもあるので注意が必要。少し値段が高め(10,000円程度)の機種であれば、高い周波数帯の音を発生させることができます。
逃げ道をつくってあげよう
他にも、ドアを強めに閉めることや、木さく液、コーヒーの出がらしなどを、車の周りにまいておく、という方法もありますが、匂いで対策する場合は、一時期来なくなっても、その匂いがなくなるとまたやってくる、いうこともありますので注意が必要です。