政府が2021年度補正予算案に計上する6.8兆円の地方創生臨時交付金の概要が25日、明らかになった。
新型コロナウイルス感染拡大「第6波」に備えた飲食店への協力金向けに1.5兆円を手当てするほか、自治体が使途を決める配分枠に1.2兆円を充てる。
臨時交付金はコロナ対策にかかる費用を国が地方に配る。政府は20年度の3度の補正予算や予備費の支出で、これまで臨時交付金に8.4兆円を措置した。
今回は1回の補正予算としては大幅な増額となる。

協力金向けに配分する資金は、自治体が飲食店に支払った実績に応じて交付する。全体では5兆円で、夏の「第5波」での補塡分として3.5兆円、
次の感染拡大への備えに1.5兆円をそれぞれ手当てする。
ほかに都道府県が実施する無料検査の支援枠として3000億円を充てる。21年度末までは健康上の理由でワクチンを接種できない人への検査費に使える。
感染拡大の傾向がある場合は接種済みの人も含めて、この資金を活用できる。

これまでの臨時交付金の使い道では、コロナ禍前から予定していた公共施設のトイレや公民館の改修を実施するといった事例が明らかになっている。
無駄な支出を避けるには国と地方による監視が欠かせない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA252P20V21C21A1000000/