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人工肛門ケアなど介護疲れで妻殺害、検察側「自力で入浴や食事できた」「著しく過酷とは言えない」

自宅で介護していた妻を殺害したとして、殺人罪に問われた富山市犬島新町、無職室谷和夫被告(71)の裁判員裁判の初公判が8日、富山地裁(細野高広裁判長)であった。室谷被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。

 起訴状では、室谷被告は昨年10月、自宅で妻の美代子さん(当時71歳)の首をロープで絞め、殺害したとしている。
 検察側は冒頭陳述で、「被告はがんや認知症が悪化していた妻の将来を悲観して犯行を決意した」と主張。動機は介護疲れによるものとした上で、「妻は自力で入浴や食事ができるなど、介護の状況が著しく過酷とは言えない」と指摘した。


 一方、弁護側は「人工肛門のケアや家事の負担で被告がうつ状態や不眠症になり、合理的な判断は困難だった。犯行後に自ら110番し、自首が成立している」と訴えた。