10月31日に投開票された衆院選で、京都市内の読者から「選挙公報が自宅に届かなかった」といった相談が京都新聞社に寄せられた。選挙公報は全戸配布が原則だが、なぜ届かなかったのか。理由をたどると、自治会や町内会を巡る問題が背景にあることが分かった。

 相談を寄せたのは北区の女性(63)。投開票後の11月2日、選挙公報が届いていなかったことに気付いた。「これまでは来ていたのに」。疑問に思ったが、思い当たる節があった。女性は4月に町内会を退会していた。京都市では、選挙公報の配布は市独自の非常勤特別職「市政協力委員」に委託されており、女性が暮らす地域では町内会長が同委員を務めている。女性は配布されなかった理由を「町内会を抜けたからでは」と推測した。

 案の定、女性が近所の人に聞くと、この地域では3年前から町内会員以外に選挙公報を配らないと決めていた。市に問い合わせると、担当者は「市政協力委員には全戸配布するようお願いしているが、強制はできない」との回答だったという。女性は「町内会に未加入だからといって、投票のための貴重な判断材料である選挙公報を配らないのはおかしい」と憤る。

https://news.yahoo.co.jp/articles/32102ca1a59beff260762e82fd2f616c0524e49c