日本から逃げ続けるMSCI運用資金−きょう2000億円流出と試算
日本株の存在感が低下している。世界で多くの投資家が運用の基準にするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の株価指数で、日本企業の構成銘柄を削る動きに歯止めがかからない。最高値を更新し続ける米国などに比べて、日本の相対株価パフォーマンスが悪化しているのが要因だ。
MSCIの指数を構成する日本株の比率が低下すれば、短期的には巨大な指数運用型のファンドが組み入れから外すため株式需給が悪化する。MSCIによると、エクイティ指数を基準に運用するグローバルの資産総額は9月時点で16.3兆ドル(約1880兆円)。構成銘柄の変更による影響は無視できない。
ピクテ投信投資顧問の松元浩常務は、長期的にみても日本株の比率低下は「ボディーブローのように効いてくる」とみる。指数連動の投資家だけでなく、アクティブ運用の投資家にとっても、基準そのものが下がることで日本株の国際的なプレゼンス低下や売買代金の減少につながる恐れがあるからだ。
MSCIが日本時間12日に発表したスタンダード・インデックスの定期入れ替えで、日本株の新規採用は2銘柄、除外は15銘柄だった。大和証券の試算では、指数に反映される30日の終値を基準に日本の株式市場から約2200億円の資金が流出する。約22.7兆円の指数連動型資金が調整に動くと見立てる。
そーす
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-29/-2000?srnd=cojp-v2