30日の代表選で枝野幸男前代表の後任が選出される立憲民主党。党再生に向けた新代表のかじ取りが注目される。衆院選の敗因や、改めて浮かび上がった中道・リベラル政党の課題などについて、政治思想に詳しい北海道大大学院経済学研究院の橋本努教授(53)に聞いた。【聞き手・真貝恒平】

 ――立憲は衆院選で議席を減らしました。

 ◆敗因はセンターレフト(中道左派)のポジションをうまく取れなかったこと。そこには自民党の「リベラル化」があります。
安倍・菅両政権下では18歳選挙権や最低賃金の引き上げ要請など、普通なら自民から上がってこない政策が実現しました。
年金や医療費を除いた社会保障関係費もドイツなど欧州主要国に近づくほど、この10年で着実に伸びています。これは中道左派が志向する福祉国家のモデルであり、新自由主義を取り入れた「第三の道」とも呼ばれます。

 立憲は自民にセンターレフトを奪われ、「レフトは何をすべきか」という壁を崩すことができなかった。

https://mainichi.jp/articles/20211129/k00/00m/010/040000c