踊り場に「ここはトイレではない」、ゴミは頭上から降ってきた「チャイナ団地」…「バラバラ」でもゆるく進む共生

この団地は、過去には週刊誌で取り上げられるほどトラブル続きだったという。岡崎さんによると、1990年代後半に中国人の入居者が増え始め、故国から父母を呼び寄せる家庭が急増した。
階段の踊り場に大便が放置されることもあれば、ゴミを上から投げ捨てる人もいた。10年には「チャイナ団地」として週刊誌に取り上げられ、「中国人は限りなく増殖する」などと書きたてられた。
この年、ヘイトスピーチ団体が団地までやってきて「中国人は出て行け」と声を荒らげた。岡崎さんが入居した14年にも、階段の踊り場に「ここはトイレではありません」という中国語の貼り紙がされていた。

 団地を管理する独立行政法人・都市再生機構(UR都市機構、横浜市)が、事務所に通訳を置くようになると、入居時に生活ルールを正確に伝えられるようになり、トラブルが次第に少なくなっていった。
ゴミ捨て場には鉄製の囲いを設け、ごみを上から投げ入れられないようにした。日本語のほか、中国語、英語の3か国語でごみの捨て方を分かりやすく示した案内も設置された。
岡崎さんは「外国人も悪気があるわけではない。最低限守ってほしい生活ルールを知る 術すべ がなかっただけだ」と振り返る。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211127-OYT1T50099/