<有権者と党員に支えられた公党を連合の私物と勘違いしているのではないか><立憲を内部崩壊させるために与党が仕掛けたトロイの木馬>……。
ネット上でこんな声が出ているのが、「連合」(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長だ。

芳野会長は会長就任直後から、衆院選で立憲民主党と日本共産党が共闘したことを激しく批判。28日に出演したBSテレ東の番組でも、
「連合と共産党の考えが違う。立民と共産党の共闘はありえないと言い続ける」と言い、さらに来夏の参院選に向けた連合の活動方針では野党共闘に一定の理解を示しながらも、
「考え方の違う共産党が入るのはちょっと考えなければいけない」と、あらためて共産党に対して強いアレルギー反応を示していた。

立憲が共産党などと一緒に作り上げた「野党共闘」によって、自民党の現職幹事長らを小選挙区で落選に追い込んだのは紛れもない事実であり実績だ。
芳野会長はそうした功績も否定しているわけで、「連合と共産党の考えが違う」のであれば、まずは連合組織内で共通認識を得る手続きを踏んだうえで、
何がどう異なっているのかをきちんと説明し、違うのであれば両者ですり合わせる努力をするべき。それこそが熟成された民主主義というものだろう。

自公政権誕生後、労働者の権利が今ほど脅かされている時代はない。今こそ、労組連合体の代表として、「労働者のために戦いたい」というメッセージを真っ先に打ち出すべき時なのに、
わがまま一杯に育てられた駄々っ子のように「とにかく、嫌なものは嫌なの」とばかり、感情をあらわにして個人的な反共発言を繰り返していることが果たして労働者全体のためになるのか。

ネット上でも<はいはい。もういいから、連合は労働組合としての役割に集中して><政治活動についてあれこれ言う前に労働環境の改善に対して取り組んでください>
<あなたの共産党嫌いという私憤に労働者を巻き込むな>との書き込みが目立つのも当然ではないか。

「会長とは考えが違うから協力しない」。今後、連合傘下の労組で組合員からこんな声が上がるのも時間の問題だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d393dbe994218e2bc56ea855422f64bb513ead2