「忍者ハットリくん」の最新話はインド発…日本アニメのグローバル化を楽観視してはいけない理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/23b42ca756a41109cb8863ab30aa0515603d9b5c?page=2

■『忍者ハットリくん』の最新話はインドで作られている

 また、インドとの共同製作タイトルとしては、『忍者ハットリくん』や『Suraj the Rising Star』などがあります。
日本では『忍者ハットリくん』は昔の作品ですが、インドではまだまだ現役で、最新エピソードは
『NINJAハットリくんリターンズ』の名でいまや日本ではなくインドで作られています。

 その他のアジア地域とのアニメの国際共同製作として最近注目されているのがサウジアラビアです。
日本の大手アニメ制作会社である東映アニメーションがサウジアラビアとのアニメの共同製作を積極的に行っており、
作品としては『きこりと宝物』『アサティール 未来の昔ばなし』『The Journey』などが挙げられます。

■「垂直→水平→逆転した垂直」アジアのアニメ国際分業の変化

 ところが、アジア地域が創造産業の供給面に係る資金や才能の送り出し手としてのプレゼンスを増大させつつある中で、
この分業関係に近年大きな変化が生じているように見えます。

 すなわち、「垂直」的な分業関係から、より「水平」的な分業関係への変化が起きつつあります。
日本側のアニメ作品づくりの一部をアジア側が下請けするという関係から、日本側とアジア側が対等なパートナーとして
アニメに関するプロジェクトを共同で推進する関係へ変化しているということです。私のフィールドワークは、
まさにこの「水平」分業のケースを扱っていると言うことができます。


■「日本と組む理由は競争を有利にする『箔付け』に過ぎない」

 取材をさせていただいたあるプロデューサーによると、中国側が日本側と組む理由は、中国本土のマーケットにおける競合作品との競争を有利にする
「箔付け」のために過ぎない、といいます。日本アニメのブランドは世界的に知れ渡っているので、
日本側のプレイヤーに映像を作らせること自体、中国本土における作品の差別化に利用することができるというのです。
ここではもはや日本とアジアの立場は逆転してしまっているように見えます。

■アニメで日本がアジアの『下請け』になる未来

 ここに人件費の観点を入れるとさらに日本の「下請け」感が増してきます。

 真偽のほどは定かではありませんが、以下のような話すら聞いたことがあります。

 すなわち、中国の経済成長と日本のアニメーターの劣悪な労働環境により、
同じ作業を発注する際の中国のアニメーターの人件費が既に日本アニメーターのそれよりも高くなっていて、
もはや日本のアニメーターに発注する方が中国国内のアニメーターに発注するよりも安くなっている、というのです。

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