厚労省が新ルールで年金試算 リーマン並み賃下げでも将来世代の支給水準は最大0・6%増

 厚生労働省は27日、先の臨時国会で成立した年金制度改革法に基づく
支給額改定ルールが実施された場合の新たな試算を発表した。
リーマン・ショック時並みの賃金引き下げが発生した場合、
直後の年金支給は現行ルールよりも減るが、
その分、将来世代の支給水準は増えるとしている。
民進党が参院厚労委員会で法案採決に応じる条件として試算を要求していた。

 年金制度改革法では、将来世代の年金水準が目減りし過ぎないよう平成33年度以降、
賃金が下がった場合は必ず年金を減らすルールを導入する。
現行は物価が上昇していれば賃金が下がっても支給額を据え置くルールのため
、ここ数年の賃金低下で年金の相対的な高止まりが生じている。

 新たな試算では、
新ルールが導入される33〜34年度の名目賃金上昇率をリーマン・ショック
の影響で賃下げとなった20〜21年度の数値に置き換え、
それ以降の支給水準を現行ルールと新ルールで比較した。

 賃金下落は数年後の改定に反映されるため、
ルール見直しによる支給水準の低下は38年度が最も大きくなり、
基礎年金の水準は現行ルールより最大0・6%下がった。
一方、
早期に支給水準を抑えれば、その分、
年金財源に余裕が生じ将来世代により多く配分できるため、
55〜56年度の水準は最大0・6%上昇した。
http://www.sankei.co...if1612270043-s1.html