立憲の敗因として確実に言えるのは、〈今の立憲民主党は有権者にとって魅力に乏しい〉という冷徹な現実である。立憲にもっと魅力があれば、「立憲共産党」などとネガキャンを張られても、代表が辞任するような事態にはならなかったはずだ。そもそも論になるが、立憲にもう少し人気があれば、ここまで共産党と大々的な選挙共闘を行う必要もなかった。これこそが問題の核心であり、だからこそ、立憲にとって事態はより一層深刻なのである。

 立憲民主党に魅力がないことは、その支持率に如実に反映している。立憲があくまで政権交代を目指すと言うなら、自民党批判の受け皿として少なくとも野党の中では圧倒的なトップでなければならない。ところが、選挙後の11月1・2日に共同通信が実施した世論調査では、維新の支持率が10月上旬の5.0%から14.4%に急伸し、立憲の11.2%を抜いた。(自民は45.7%であった。)この傾向が今後も続けば、立憲にとって存亡の危機と言っても過言ではない。

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