Q.
韓国の警察は、常に銃を携帯しますか?義務警察も拳銃を所持しますか?

A.

「公共の敵」という映画があります。お金のために親を殺した悖倫兒(ペリュンア、人道に背く行為を行った人)と腐敗した警察が対決を繰り広げるという内容の映画です。改心した警察官が、権力の庇護を受ける悖倫兒を犯人として疑いましたが、交通警察官へ左遷されてしまい、悖倫兒は嬉々とします。

そのうち、決定的な証拠を見つけた警察官が悖倫兒を訪ねて、二人は川沿いで対決を繰り広げます。戦いが不利になると、警察官は拳銃を発射します。それにより、形勢逆転になります。もちろん銃には実弾が入っていません。空砲弾を発射しましたが、驚いて立ちすくんでしまったのです。警察が一言ます。

「大韓民国の交通警察が、実弾を持ち歩いているところを見たことがあるか?」

銃の使用が厳しく禁止されている韓国で警察が持っている拳銃は確かに大きな武器です。公権力だからこそ与えられた特権であるわけです。それだけに銃の使用、特に実弾発射は禁止されています。一発目は空砲弾が発射されるよう装填されるように措置しています。通報を受けて、パートナーと一緒に2人1組で出動するときは、銃の代わりに電気ショックを与えるテイザー・ガンを所持する規定もあります。

それにもかかわらず、たまに実弾が発射され、議論が起きます。凶器を持って暴動を起こした30代の女性が警察が撃った銃に当たりました。10月にも家庭内暴力の申告を受けて出動した警察が凶器を持って威嚇する男性に銃を発射し、亡くなりました。

二件とも最初の一発が空砲弾ではなく実弾が発射され死亡した事件です。警察官は、懲戒の代わりに警告処分を受けました。警察としての役割を熱心に遂行して、起こった事故と判断されたからです。

警察の銃器使用の事故が頻繁に起こってしまっては、本当に困りますが、これから警察と対峙する凶悪犯には十分に警告がされたことでしょう。「警察に襲い掛かり、銃で撃たれ死亡した」という事実だけでも、恐怖が起きないでしょうか。

精神に異常をきたし、視野が狭くなった凶悪犯を対処するには、銃しかないのかもしれません。

だからと言って、デモ鎮圧に乗り出した警察は銃を握ることができません。警察も人なので、逆上したら、銃を使用することもあるということです。女性のデモ参加者に暴力を行使したために過剰鎮圧の論争が起こることもありますが、銃を握っていたならば…。考えただけでもぞっとします。

義務警察も銃を所持しています。しかし、海岸でスパイの浸透を監視したり、警備をする時だけ銃を持ちます。前述のデモ鎮圧など、普段は銃を持っていません。運動場などで秩序を維持するために出動するときには、銃を持ち歩かはないということです。

警察が凶悪犯から社会を守るためには銃が必要ですが、使用は厳しく禁止されるべきです。

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