https://basketballking.jp/news/world/nba/20211203/348676.html
 世界一のエンターテイメントであるNBAさえ、新型コロナウイルスによる弊害は未だ拭えていない。一見、何事もなかったかのように開幕した2021−22シーズン。しかし、その傷は大きく、『theScore.com』によると、NBAの観客動員数はパンデミック前の2018−19シーズンと比較して、大幅な減少が確認されているという。

 人混みのなかでの長時間滞在、大切な人や我が子を危険に晒す可能性、不調の地元球団の試合に高いチケット代を支払いたくないという気持ち。様々な不安と行動様式の変化が重なって、スタジアムには空席が目立つ状況が続いている。

 このようなスタジアムの過疎化は、球団経営に大きな弊害を生むだろう。ホーリークロス大学のスポーツエコノミスト、ビクター・マチソンはNBA球団のスタジアム収入について、以下のように説明している。
「我々のリビングに巨大なテレビがあり、テレビやメディアの権利が支配的であっても、NBAやNHLに所属するチームは、アリーナに足を運んだファンからの収入が全体の半分程度を占めています。すなわち、観客動員数が10〜20パーセント減ると、収入が5〜10パーセント減少します。これは極めて大変なことです」

 では、どうすれば、ファンはスタジアムへ帰ってきてくれるのだろうか。

「ワクチン接種の普及を支援することでしょう。観客動員型スポーツは、COVID-19で最も大きな打撃を受けた業界のひとつです。ワクチン摂取を促進することは、間違いなく、業界の大きな後押しとなります。それが我々全員の(失った日常生活の)復活につながり、ポジティブに試合に臨むことができるでしょう」

 世界がパンデミックに真の意味で打ち勝つまで、スポーツ業界の戦いは続く。今はファンの一人ひとりが自分のできる最大限のことを考え、行動に移すべきだろう。