東京電力福島第一原発の建屋周辺の地盤を凍らせ、汚染水増加の原因となる地下水流入を抑える「凍土遮水壁」の一部で温度上昇が続いている。東電は「遮水機能は維持されている」としているが、氷の壁が解けて機能を失う事態になれば、再び汚染水の増加につながりかねない。早急に原因を究明し、必要な対策を講じるべきだ。

 凍土遮水壁は、1号機〜4号機の建屋を取り囲むように約一・五キロにわたって配管を埋め、地盤を凍らせて地下水の流入を止める仕組みで、汚染水対策の切り札として二〇一四(平成二十六)年六月に大規模工事が始まった。二〇一八年九月に全ての地盤の凍結が完了してから、まだ三年しかたっていない。建設には約三百五十億円の国費が投じられた。

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