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中国の「ピアノ王子」、買春疑いで拘束 2000年にショパン・コンクール優勝

中国の著名ピアニスト、李雲迪(ユンディ・リ)容疑者(39)が、買春容疑で北京で拘束された。国営メディアが21日に伝えた。李容疑者は2000年にショパン国際ピアノコンクールで優勝し、「ピアノ王子」と呼ばれてきた。

中国の法律では、買春行為や売春あっせんは、最長15日の拘束や最大5000人民元(約8万9000円)の罰金処分を受けることがある。

北京の警察当局は、39歳の人物と29歳のセックスワーカーが違法行為を認めたとオンラインで発表した。市民からの情報をもとに拘束したとしている。

警察は男性のフルネームを発表しなかったものの、国営メディアが後に、李氏だと伝えた。

李氏は2000年に最年少の18歳で、中国人として初めてショパン・コンクールに優勝。世界中で演奏活動を続け、中国語圏では誰もが知る有名人だ。

中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」では、「信じられない。本当にみんながあこがれているあの、李雲迪なの?」と書き込む人もいた。

拘束された経緯を疑問視する声も出ている。「どうやったら一般市民が情報を得たのか知りたい。39歳の男性と29歳の女性が一緒にマンションに入るのを見て、どうやってそれが売春婦と客だって分かるの? 夫婦か友達かセックスフレンドかもしれないじゃない」と書く人もいた。

中国音楽家協会は、その行動による「きわめて反社会的な影響」を理由に李氏を除名すると発表した。

一方で、中国当局が芸能界への締め付けを強化する中で、李氏が他の「不道徳」な有名人への「みせしめ」として、拘束されたのではないかという意見もある。