「初めて乳房を褒められた」私を長年苦しめてきた乳房への執着の正体

時代の潮目を迎えた今、自分ごととして考えたい社会問題について小島慶子さんが取り上げます。
先日、人生で初めて乳房を褒められました。
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30代の終わり頃、豊胸手術をしようかと考えたことがあります。
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40代に入り、
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思春期以降、この板型の体型をずっと引け目に感じていました。
母も姉も豊かなくびれのある体型で、物干場に下がる彼女たちの下着からは、甘いような金臭いような女の人の匂いがしました。

一体どんな変化が起きるのだろうとワクワクしていたのに、小6になっても何も起きず、
担任のセクハラ教師の目の前で上半身裸で身体測定を受けさせられ
「お前は口ばかり生意気で胸はぺったんこだな」と嘲笑されてトラウマに(一生許さない)。

中学生になっても幼稚園の頃と何も変わらない自分の胸元を見て、どうやら自分はあっち側にはいけないらしいとショックを受けました。
漫画やアニメに出てくる女の子の胸元には必ず、ぷりんと丸みを帯びた乳房がついています。
リカちゃんにも、硬く滑らかな隆起がふたつあります。美術館の絵画や彫刻だってそうです。
なのに、どうして自分にはついていないんだろう。

修学旅行で目にした友達たちの胸元にも、ちゃんとあの美しい立体構造物がついていました。
触ると柔らかいのかな? 重たいのかな? うつ伏せになったら痛いのかな、仰向けや横向きに寝たら肉が流れる感じがするのかな。
走ったら揺れるし、屈んだら垂れ下がるんだろうな。
立っても座ってもいつも腕の間に何かがある感じって、一体どんな風なんだろう? いいなあ。私も欲しいなあ。


20代になり恋人ができると「こんな胸で申し訳ない」と思っていました。
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もうすぐ私は閉経します。あと数年で、丘から海を見晴らすことができるでしょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0a86dcfcb0b9a7f8473198c9d7d5b701c1acf66c