首相の所信表明、野党「具体性乏しい」と一斉批判 立憲は一線画す
2021年12月7日 8時00分

 衆院選後の初の本格的な与野党論戦を前に、野党各党は岸田文雄首相の所信表明演説に対して、党首が一斉に「政権が何をやるのかよくわからない」などと具体性が乏しいと批判した。その一方で、「批判ばかり」とのイメージ脱却を狙う立憲民主党からは「一定の評価」の声も上がった。

 「国民をどうやって困っている状況から助けるか、具体策が全部抜けている」

 国民民主党の玉木雄一郎代表は、首相の演説をこう批判した。同党はこの日、日本維新の会とともに、国会議員に支給される文書通信交通滞在費(文通費)の使途公開などを義務化する歳費法改正案を衆院に共同提出。自民、公明両党を上回る「改革」姿勢を打ち出し、存在感を高めたいとの狙いがある。

 日本維新の会の馬場伸幸共同代表も、岸田政権の看板政策「新しい資本主義」について「具体的に何をするのかよくわからない」などと繰り返した。社民党の福島瑞穂党首は「熱量のない演説。今の問題を『こう解決していくんだ』という骨太の方針が出てこない」。れいわ新選組の山本太郎代表は「以前の総理より滑舌がいいぐらいの感想しかない」と語った。

 共産党の志位和夫委員長は、「敵基地攻撃能力」の検討に言及があった点を踏まえ、「新しい危険が現れてきた演説」と強く批判。そのうえで憲法改正に触れ、「自民党の改憲項目に反対の点では一致がある」とする立憲民主党などと共同歩調で政権側と対決したいとの考えを示した。

 一方で、立憲の泉健太代表は、他党とは一線を画す「批判」の封印ぶりが目立った。「立憲が掲げてきた言葉が随所にあった。野党の役割はこういうところにあると実感した」と述べ、首相の演説に一定の評価も示した。



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