来年4月に大統領選が行われるフランスで、「反移民」「反イスラム」の過激な発言を繰り返す極右の政治評論家エリック・ゼムール(63)が存在感を強めている。「フランスのトランプ」とも称されるゼムールは11月30日に大統領選への出馬を正式に表明。YouTubeに投稿した出馬宣言の動画では、移民のせいでフランスが「消滅の途上にある」と訴えた。

この動画には教師や実業家、牧場主として真面目に働く白人男性が多数登場する一方、有色人種の人々は食糧配給の列に並んだり、ゴミだらけのテント村をうろついたり。人権団体から「病的な人種差別」だとの批判が上がるなか、YouTubeは動画を成人向けとする規制をかけた。

それでも、テレビ出演などで高い知名度を誇るゼムールはじわじわと支持を拡大。政治経験はゼロだが、最近の世論調査では支持率トップのマクロン大統領に続き、極右政党「国民連合」のルペン党首と2位争いを演じている。

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