「放課後ていぼう日誌」ラッピング列車 九州豪雨被災地を特別運行
2021/12/8 14:00

 熊本県八代市と鹿児島県薩摩川内市を結ぶ第三セクター、肥薩おれんじ鉄道(八代市)は、熊本県芦北町をモデルに描いた人気漫画・テレビアニメ「放課後ていぼう日誌」のラッピング列車を、18日に特別運行する。2020年7月の九州豪雨で被災後の運行再開1年を記念して初めて一般向けに貸し切り、被災地を走る。【吉川雄策】

 肥薩おれんじ鉄道は、豪雨で線路内に土砂が流入するなど計92カ所で被災したが、懸命の復旧作業で約4カ月後に全線で運行を再開。九州豪雨で自宅が被災したことをツイッターで明らかにした作者、小坂泰之さんの協力を得て、芦北町も通る同鉄道でラッピング列車の運行を20年12月に始めた。

 ていぼう日誌は、都会から引っ越してきた女子高生が「ていぼう部」に入部し、釣りの楽しさや町の魅力に目覚めていく物語。舞台は架空の「芦方町」だが、随所に芦北町の街並みや海辺の風景などが忠実に描かれている。

 今回の特別運行は、舞台となった芦北町を知ってもらい、被災地の復興につなげようと企画。当日は佐敷駅(芦北町)発着で、八代駅(八代市)で折り返し運転する。車内ではアニメの声優の車内アナウンスが流れ、地元特産品を使った昼食も付いてくる。下車後は鶴ケ浜海水浴場など芦北町を巡る「聖地巡礼バスツアー」を予定している。定員は20人で、このうち最大5人は乗車翌日に芦北町の被災地域でボランティア活動する宿泊プランも設けた。

※略※
https://mainichi.jp/articles/20211208/k00/00m/040/054000c
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