「負の歴史」から距離を置くロシア 旧日本軍の「戦争犯罪」をアピール「戦勝国ソ連は正義、敗戦国は悪」

ロシアは近年、「負の歴史」から距離を置くように。国民の愛国心を高めようとするプーチン大統領の意向に沿い、「戦勝国のソ連は正義、敗戦国は悪」と構図を単純化する動きが強まっている。
 8月には関東軍による対ソ戦の準備や細菌兵器開発に関する文書を公開。9月には極東ハバロフスクで、日本軍に対する49年の軍事裁判の意義を論じる学術会議を開いた。
プーチン氏は会議に合わせ「戦争の歴史をゆがめる試みには、事実や文書で対抗しなければ」と日本をけん制した。

もっとも最近のロシアが公開するのは日本軍のアジア侵略に関する史料ばかりで「シベリア抑留の文書は開示されなくなった」(日本人研究者)との指摘も。情報機関が保管する近衛の再審請求の手紙も閲覧不可になったという。
 プーチン氏の側近、パトルシェフ安全保障会議書記は9月、対日参戦は「日本軍の残虐行為を止め、アジア諸国民を解放する唯一の手段だった」と主張した。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/147533