【シドニー、北京、ロンドン時事】オーストラリアのモリソン首相は8日、来年2月の北京冬季五輪に選手団以外の政府関係者を派遣しない方針を示した。

 中国外務省の汪文斌副報道局長は8日の記者会見で「強烈な不満と断固とした反対を表明する」と反発し、豪州側に抗議したと明らかにした。ジョンソン英首相も8日、下院で、北京五輪へ閣僚を派遣しないと述べた。中国の人権侵害などを理由とする「外交ボイコット」の表明は米国を含めて3カ国となった。

 モリソン氏は、豪州が「新疆ウイグル自治区の人権侵害や他の多くの問題」を提起したにもかかわらず、中国側は取り合わなかったと指摘。「豪政府当局者が五輪のために中国に行かないのは驚きではない」と語った。

 中国は、外交ボイコットの各国への拡大を警戒する。汪氏は「豪州は個別の国にただ追随している」と非難し、「冬季五輪は政治的パフォーマンスの舞台ではない」とけん制。中国は豪政府当局者を招待していないと述べた上で「彼らが来ようが来まいが誰も気に留めない」と突っぱねた。 
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