警察庁は9日、優良運転者が免許更新時に受ける講習のオンライン実施を来年2月1日から試行すると明らかにした。北海道、千葉、京都、山口の4道府県が対象。新免許証の受領には免許センターなどを訪れる必要があり、どこまで利便性向上につなげられるかは課題だ。2024年度末に計画する全国実施に向け改善点を洗い出す。

行政の電子化を進める政府が20年末に改定した「デジタル・ガバメント実行計画」に盛り込まれた施策の一環となる。

オンライン受講の試行は、5年以上継続して免許を持ち、無事故無違反などの条件を満たす「ゴールド免許」を保有する70歳未満の優良運転者が対象。来年2月1日以降に誕生日を迎える人が該当する。

20年は全国で約938万人が優良運転者講習を受け、免許更新時に講習を受けた人の総数(高齢者講習や認知機能検査はのぞく)の約6割を占めた。4道府県での試行は3月31日まで。この2カ月で最大約7万人の受講が見込まれる。

ただ、オンラインで講習を受けても、適性検査や新免許証の写真撮影、交付のため免許センターなどを訪れる必要が生じるのは現状の手続きと変わらない。新免許証が完成するまで一定の待ち時間は発生するとみられ、どこまで利便性の向上につながるかは不透明な面もある。

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