火葬後の灰から金、銀、プラチナ…売却へ 熊本市、時価総額1億4千万円分
熊本日日新聞 | 2021年12月09日 18:27

 熊本市は9日、市が運営する火葬場で出る残骨灰に含まれていた金や銀、プラチナなど有価物を売却する方針を明らかにした。有価物の総重量は46・9キロで、時価総額は約1億4千万円。市が残骨灰の有価物を売却するのは初めてで、植木火葬場(北区)の建て替えや市斎場(東区)の改修の財源に充てる。

 市健康福祉政策課によると、火葬後の残骨灰は専門業者に委託して処理された後、有価物は市に返還され金融機関の貸金庫に保管している。有価物の内訳は金7・5キロ、銀29・3キロ、プラチナ0・1キロ、パラジウム9・9キロ。

 市は1999年から市慰霊塔に残骨灰を保管してきたが、約20年間で約220トンに膨らみ、保管庫が満杯になったため取り扱いを検討。2018年度に他都市の事例を参考に有価物を取り出して活用する方針を決め、処理を済ませていた。当時は金の価格が上昇傾向だったため、売却時期を探っていた。

 12月中旬に公告し、来年2月上旬に一般競争入札を実施する予定。同課は「どのくらい応札があるか分からないが、亡くなった人の大切な資源なので有効に活用させていただきたい」としている。(久保田尚之)

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