リモートワークは市民権を獲得したが…日本で職場回帰が進む要因とは

働き方は、社員1人1人の生産性や創造性に大きく関わる。コロナ禍を経て働き方はどう変化したのだろうか。
Windows 11 とコラボレーションツール Microsoft Teams (以下、Teams) のマーケティングを担当する日本マイクロソフトの春日井良隆氏は、
「緊急事態宣言下における在宅勤務でリモートワークという働き方が市民権を獲得したと感じています」と話し、こう続ける。
「コロナ以前は、ミーティングは対面が基本でした。マイクロソフトの社員の間では、Web会議は浸透していましたが、それでも、お客様との打ち合わせで使うのは失礼にあたると考えていました。
ただ、お客様も在宅勤務になって、Web会議にせざるを得なくなり、実際に使ってみたら移動時間もないし、使えるねという雰囲気になり、そんな失礼感は薄れたと感じています。
会社によっては若手やベテランの意識の違いも薄れたかも知れませんね。ニューノーマルにおいては、オンラインで会議をすることは当たり前になると思います」

しかし、新型コロナウイルス感染症対策と経済の両立を目指す段階となり、日本では職場回帰への動きが顕著になっている。在宅勤務やリモートワークを継続する欧米とは対照的だ。
「企業文化や勤務体系、働く人の都市圏集中など日本独特の事情もあるのだと思います」と春日井氏は話し、こう指摘する。

リモートワークのメリットの1つは、移動の負担を軽減できることだ。在宅勤務なら移動がゼロで通勤ラッシュのストレスからも解放される。
また、働く時間と場所の制約がなくなるため、多様な働き方が可能だ。子育てや介護など個人の生活上の理由から退職する必要もなくなる。
さらに、Web会議は物理的に離れた複数の人との間でスケジュール調整が容易に行えるため、意思決定のスピードも速くなる。
メリットの一方で、社員同士のつながりが希薄になるというデメリットもある。
春日井氏は、「人間同士のコミュニケーションでは、顔を合わせて相手の表情や雰囲気を感じながら会話する“対面”がベストであることは、コロナ禍の前後で変わりはありません」と話す。

多様な働き方で人材不足を解消 中小企業こそハイブリッドワークを導入すべき理由

大事なのは、リモートか対面かといった二者択一ではなく、リモートも対面も必要に応じて使い分けるといった発想だ。
マイクロソフトが提唱するニューノーマル時代の新しい働き方「ハイブリッドワーク」は、場所の制約から働く人を解放し、必要に応じて様々なコミュニケーションを使って多様な働き方を実現する。
対面してコミュニケーションを深め、リモートワークで生産性を向上し、住まいも都心に限らず好きな場所で、仕事と生活のバランスのとれたライフスタイルを送る。
中小企業や地域の企業にとって、重要なポイントはハイブリッドワークが人材確保につながるという点だ。

「中小企業の中でも、特にスタートアップでは、ハイブリッドワークのように場所に縛られない働き方を実践し、優れた人材を確保する動きを見せています。
ハイブリッドワークなら全国はもとより海外の人材も活用できることから、人手不足を解消する手段が広がります。地域の企業も、地元に人材がいないとの心配も無用です。
こうした働き方の多様化は、若い人材の獲得や維持にもつながります」

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