昨年度 温室効果ガス排出量が大幅減 感染拡大で経済活動が停滞
2021年12月10日 10時08分 環境

昨年度、国内で排出された温室効果ガスは11億4900万トンと前の年度を5%余り下回り、比較できる1990年度以降では最も少なくなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞し、産業部門を中心に排出量が大きく減少しました。

環境省によりますと、昨年度、国内で排出された温室効果ガスは、速報値で、二酸化炭素に換算して11億4900万トンでした。

前の年度に比べて6190万トン、率にして5.1%減少し、1990年度に排出量の算定が始まって以来、最も少なくなりました。

排出量の減少は7年連続で、減少幅はこの期間で最も大きくなりました。

「脱炭素」の取り組みも広がっていますが、新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が大きな要因と見られます。

部門別では、工場などの産業部門が3億5300万トンで前の年度から8.3%の減少、自動車などの運輸部門は、1億8500万トンで10.2%の減少と大幅に減りました。

一方、家庭部門は、外出自粛やテレワークの拡大などの影響で1億6700万トンと4.9%増加しました。

政府は2030年度までに2013年度と比べて排出量を46%削減することを目標に掲げていて、昨年度は18.4%の削減でした。

環境省は今年度の排出量は、経済活動の再開に伴って増加することも見込まれるとしていて「脱炭素社会」の実現に向けて、各部門の取り組みが課題となりそうです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211210/k10013382731000.html