君が代不起立の元教諭 再任用拒否は違法 大阪府が逆転敗訴

大阪府立高校の入学式や卒業式での君が代斉唱時に起立しなかったことによる懲戒処分歴がある元教諭の男性が、
定年退職後に再任用を拒否されたのは違法として府に約550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、大阪高裁であった。
本多久美子裁判長は男性の訴えを棄却した1審大阪地裁判決を変更し、再任用の不採用は府教育委員会の裁量権の逸脱や乱用にあたり違法として約315万円の支払いを命じた。

男性は、平成29年3月まで府立芦間高で教諭だった梅原聡さん(65)。
過去に2度、君が代斉唱時に起立せず職務命令に違反したとして戒告の懲戒処分を受けたことがあった。
同年4月以降の再任用を希望したが府教委での選考の結果、不採用となった。

1審判決は再任用についての府教委の裁量を広く認め違法性はないと判断。
一方、高裁の本多裁判長は判決理由で、体罰事案で梅原さんより重い、減給での懲戒処分歴がある教諭の再任用が認められているとして、
「過去の懲戒処分の軽重と再任用の結果が逆転し、合理性を欠く」と指摘。
また、再任用希望者は99%以上が採用されているという府教委での近年の実情などを踏まえ、
「不採用の判断は裁量権の逸脱や乱用にあたり違法」とした。
https://www.sankei.com/article/20211209-HI6IU75UAJKLVGBS6SVEPAGRUI/