生後3ヵ月乳児が風俗店で虐待死…未成年里親の「呆れた言い分」

その女の子が生まれてから3ヵ月の間に、4人の女性が彼女の母親になろうとした。1人はその子を産み、1人はその子を養子として引き取ろうとし、2人が育てようとした。

だが、渋谷がハロウィンでにぎわっていた夜、生後3ヵ月のその子は道玄坂にある、通称「風俗ビル」で目を見開いた遺体となって発見された。

遺体は口が開き、手足は不自然なほど真っ直ぐに伸びきっていた。

◆高校を卒業してすぐ家出

この女児の実母は、近藤保奈美(仮名、事件当時19歳)だった。長身の体にタトゥーを入れた、いわゆるギャル風の女性だ。

彼女は長野県で塾講師の父親と、元銀行員の母親のもとに長女として生まれた。両親はともに教育に厳しく、勉強や習い事を押し付けた。

弟は成績優秀だったが、姉の保奈美はどちらも苦手だったことから、ぶつかることも多かった。こうしたこともあって、高校へ進学後は家に寄りつかず、地元の不良仲間と夜遊びをすることが増えた。

家出をしたのは、高校を卒業してすぐだった。介護関係会社の求人に応募したものの、面接をすっぽかし、親には何も言わずに行方をくらましたのだ。

向かった先は、東京の歓楽街だった。夜の街に入り浸り、親からもらった体を否定するように次々とタトゥーを入れていった。

妊娠が発覚したのは、翌年のことだ。受診した病院からは、未成年であるため中絶には親の同意が必要だと告げられたものの、家出中なので書類を用意できない。どうしようかと困惑しているうちに、臨月を迎えてしまった。

保奈美はやむなく赤ん坊を産んで特別養子に出すことを決断する。それで、インターネットで特別養子縁組のサポート団体「Babyぽけっと」を見つけ出して、藁をもつかむ思いで連絡した。

茨城県にあるBabyぽけっとの事務所に到着し、改めてクリニックで検査を受けたところ、すでに子宮口が開きはじめていたばかりか、梅毒の感染まで判明した。生まれてきたのは、2468グラムの小さな女児。「唯乃」と名づけられた。

その後、彼女は病院で特別養子縁組の手続きをすることになった。引き渡しの書類へ署名しようとした時、保奈美が急に手を止めた。Babyぽけっとの代表の岡田卓子が尋ねた。

「どうした? やっぱり育てたくなったの?」

保奈美はうなずいて泣きだし、「育てたいです」と答えた。

生んだ本人が育てたいと言う以上は拒否することはできない。岡田は長野の実家に帰って、家族の支援を受けて育児をするのならばとの約束で、彼女の意見を受け入れることにした。


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