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1976年、クレアモント大学院で博士課程を専攻していた研究者が、ロサンゼルスの新聞各紙に非常に変わった個人広告を出した。

「あなたはレイプ加害者ですか??プライバシー保護のため匿名で電話にて調査を行います。213-XXX-XXXに電話をください。午前9時〜午後9時まで」
学生は電話の前に座りながら、これが鳴ることはないかもしれないと思っていた。現在72歳になり、南カリフォルニアで臨床心理士をしているサミュエル・スミサイマンは言う。「参加したい人がいるとは思っていなかった」。

しかし、電話は鳴った。それも200回近くもだ。

電話をかけてきたのは「ガールフレンドみたいな子」をレイプしたコンピュータプログラマー、知人の妻をレイプした画家、ビバリーヒルズの「金持ちども」に仕返しするために10〜15件やったと明かした学校の用務員もいた。

その夏の終わりまでにスミサイマンは50人にインタビューを行い、それを基に博士論文「知られることのないレイプ加害者」を書き上げた。彼にとって驚きだったのは、話を聞いた男性たちが皆、まともそうだったことと、彼らの経歴や素性がばらばらだったことだ。一般化できることがほぼないと彼は結論づけた。