滋賀県高島市の陸上自衛隊 饗庭野 演習場で6月、訓練中の誤射により120ミリ迫撃砲の砲弾が場外の山林に着弾した問題で、
参加していた若手の1等陸士が、通常より多い火薬が 装填 されていることに気付きながら上司に指摘できず、
そのまま発射されていたことが陸自への取材でわかった。

 訓練していたのは高知駐屯地(高知県)の第50普通科連隊の約50人。
誤射があったのは6月23日で、陸自が今月9日に調査結果を公表していた。

 調査結果では、同隊の隊員らは作業を急ぐあまり、火薬の量を減らしていない砲弾を誤って発射。砲弾は想定より2・4倍の飛距離が出て、
演習場から約1キロ離れた山林に着弾したとした。けが人はいなかった。

 陸自によると、1等陸士は発射前に火薬の量が多い砲弾が運ばれていくのを見ており、調査に対し「おかしいと思ったが確証を持てず、
上司に言い出せなかった」と述べたという。

 陸自は調査結果公表に合わせ、現場にいた9人を処分しており、1等陸士を訓戒とした一方、ほかの上官8人は停職や減給とした。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211211-OYT1T50101/