インドネシアのバリ(Bali)島の東隣にある観光地、ロンボク(Lombok)島で10日、薬物密輸の罪に問われ、検察から長期の禁錮刑が求刑されていた日本人の被告に銃殺刑が言い渡された。判決を受けて衝撃が広がっている。

 判決を受けたのはマルタ・トモキ(maruta tomoki)被告(75)。ロンボク島では外国人が薬物犯罪で訴追される事案がたびたび発生しており、同被告は昨年9月に島の空港で逮捕されていた。裁判では、3人から成る同島の判事団が銃殺による死刑を言い渡した。

インドネシアは世界でも特に厳しい薬物規制法を設け、密輸犯に死刑が科されることがあるほか、裁判所が求刑を上回る厳しい判決を下すことで知られている。

 過去には、オーストラリアのヘロイン密輸組織、通称「バリ・ナイン(Bali Nine)」の幹部ら外国人にも死刑が執行されている。

 また、マルタ被告の裁判では、検察は最高刑の死刑を求刑せず、約70万ドル(約7700万円)相当の罰金を支払う場合で15年、支払わない場合で20年の禁錮刑を求めていた。

 同被告は逮捕時、合成麻薬MDMA、通称「エクスタシー(Ecstasy)」やアンフェタミン系の薬物約3キロが詰まったスーツケースを所持していた。(c)AFP/Bagus SARAGIH