文化庁は2022年から、日本への留学を希望する外国人向けに、国内の日本語学校のオンライン授業を充実させる。
コロナ禍で来日できない外国人が留学を諦めないよう、魅力的な授業作りを支援し、海外から無償で受講できるようにする。約400校での実施を見込む。
外国人の入国制限は11月8日に一時緩和されたが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大を受け、政府は11月末以降、全世界からの新規入国を停止している。
コロナ禍では、日本への留学を諦める学生や留学先を他国に変える動きもでている。

現在、日本語学校では、海外向けの遠隔授業は一部にとどまり、オンラインの環境整備やカリキュラムが十分でない。
文化庁は、モニターやパソコンなど機器類のリース代や日本語教師の研修費、教材開発費など1校あたり400万〜1000万円を支援する。

個々の留学生の日本語能力に応じてレベル分けした授業や、日本にいる他の留学生とオンラインで同時に学び、交流する授業などを想定している。
いずれの授業も留学希望者が無償で受けられるようにし、留学先を変更、断念しないよう日本で学ぶ魅力などを伝えたい考えだ。

各校から効果的な授業例を集めて検証し、遠隔授業のノウハウを全国の日本語学校に広げる。818校の日本語学校のうち約400校を対象にする予定で、今年度の補正予算に41億円を盛り込んだ。

日本の大学などに進学するには、日本語能力試験の5段階のレベルのうち上から2番目以上が求められる。
留学生は、能力試験などへの合格を目指し、日本語学校で最長2年間学ぶ。19年度の日本学生支援機構の調査では、卒業後、76%が日本で進学し、7%が就職した。
帰国する場合も母国で日本との懸け橋になる人が多い。

日本語教育機関関係6団体による今夏の調査では、昨年に入学を予定していた6154人が入国待ちを続け、今年も1万5877人が入国を待っている。

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