宇宙基本計画の工程改訂案、小型衛星の観測網急ぐ…民間企業の観測データ購入

 政府の宇宙政策委員会は10日、宇宙基本計画の工程表の改訂案を取りまとめた。
多数の小型人工衛星による観測網の早期構築を目指し、国内の衛星開発企業を複数年にわたって支援する方針などを新たに盛り込んだ。

 宇宙基本計画は、今後10年間の宇宙政策をまとめた指針。
工程表は、基本計画で示した政策の実現に向け、具体的な開発目標や達成時期を定めたもので、毎年12月頃に改訂している。

 改訂案では、多数の小型衛星を群れのように連携させて運用する観測網「衛星コンステレーション」の実用化を急ぐ方針を明記した。
政府が、衛星を開発している民間企業の観測データを複数年にわたって購入・利用し、観測網の構築を後押しする。

 衛星コンステレーションは、災害時の被害状況の把握や不審船の監視のほか、ミサイル防衛など安全保障分野での活用も期待される。改訂案では、防衛省などによる研究開発を加速させる方針も盛り込んだ。

 改訂案は、年内に予定する宇宙開発戦略本部(本部長・岸田首相)で決定する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/002caa8f9db7f115ea2540347bb4fc00be0fbcc9