「ミトコンドリアを失った生物の軌跡」 〜大規模解析で探るミトコンドリアの退縮〜

https://cbs.biol.tsukuba.ac.jp/update/843

生命活動に欠かせないミトコンドリアですが、実は最初から細胞の中にあった訳ではありません。約20億年前、我々ヒトを含む全ての真核生物の祖先が、酸素を用いてエネルギーを作る細菌を外部から取り込み、その細菌がミトコンドリアとなったのです。その名残として、ミトコンドリアには細菌由来のDNAが存在します。これをミトコンドリアDNAといい、ミトコンドリアの特徴の一つとなっています。細胞の一器官でありながら、もとは外にいた別の細菌であるミトコンドリアは、呼吸に欠かせない器官であると同時に真核生物の進化にも関わっており、研究者の興味を引き付けて止みません。