広告]
 「意識に届くデザイン〜サインデザインとピクトグラム〜」というタイトルで行われた講演は、区民の生涯学習を支援する葛飾区の取り組み「かつしか区民大学」の特別講演会として行われた。オリンピック開会式でのパフォーマンスが話題となったことで、多くの申し込みがあり、抽選で当選した100人が参加。若い年齢層の参加者も目立った。
 廣村さんは、これまで美術館や商業施設、教育施設のサインデザイン、CI、VI計画を数多く手掛けており、主な仕事に横須賀美術館、すみだ水族館、東京ステーションギャラリーなどがある。今回デザインしたピクトグラムは、オリンピック33競技50種類、パラリンピック23種類の計73種類。オリンピックのピクトグラム50種類は何度も修正を繰り返し、およそ2年間かけて完成したという。
 1964(昭和39)年の東京オリンピックで初めて採用されたスポーツピクトグラムは、その後の開催でも開催国の歴史や文化を取り入れ毎回デザインされている。廣村さんは「今回のピクトグラムは、前回の東京オリンピックへのリスペクトをテーマに、躍動感をつけるなど前回のデザインを進化させた」と話す。
 日本でピクトグラムが広まった背景について、「日本は島国。言葉の壁を越えて、文字が分からなくても、海外の人に伝えるための手段として広まった。よく目にする非常口のピクトグラムは世界でも共通に使われているが、このデザインは日本人デザイナーによるもの」と説明する。
 質疑応答では開会式のパフォーマンスについての話題となり、廣村さんは「パフォーマンスには関わっておらず、家でビールを飲みながら見ていた」と笑いを誘った。

https://katsushika.keizai.biz/headline/1754/