ある日のカフェ−。
「留学したいんやね。親に頼るより、自分で稼いだ方がよくない?」
「キャバクラだと収入はこれくらい。足りんよね」
「上半身だけ裸になるパブもあるけど、大勢の前で脱ぐのは平気?」
「嫌なら個室のヘルスかソープかな。セックスのスキルアップにつながるし、彼氏も喜ぶと思わん?」
世間話から始まり、自分で選ぶように誘導される。天神でスカウトされた福岡市の女子大学生も「その日のうちに契約書みたいな紙にサインしてしまった」と振り返る。嫌になって無断欠勤すると多額の罰金を科され、余計に辞められなくなる人もいる。
「モデルやアイドルにならないか」と誘われて契約した10〜30代の女性197人中、53人(27%)が契約外の性的行為の撮影を求められた−。2月に公表された内閣府の調査で、性ビジネスにおける人権侵害の一端が表面化した。アダルトビデオ(AV)への出演を強要された人もいた。
スカウト歴15年の男性も「基準は顔とスタイル。良ければキャバ、そうでもなければソープやヘルス。AVのプロダクションに売ったこともあるよ」と淡々と語る。スカウトバックを元手にトイチ(10日で利息1割)のヤミ金融も営み、収入源の女性にさえ貸していたという。
女性を商品として売買する現実がすぐそこにある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba83be3d217d67ca51fffc4c609ca87e1ce7d38b