オンラインで本人確認を行う「eKYC」 モバプリの知っ得[157]

特殊詐欺で京都府警が逮捕した男のスマートフォンに、「闇バイト」に応募した若者の顔写真が大量に保存されていたことを全国紙などが報じています。

顔の横に保険証や運転免許証を持った状態で撮影されていたといい、闇バイトの応募の際に自撮りした写真を送らせていたとみられています。逮捕された男は、「抜け出せないようにするため、応募者の個人情報を集めていた」とのことです。闇バイトとは、SNSや掲示板で、振り込め詐欺や強盗事件の共犯者を募集する際に使われる言葉です。「バイト」という言葉が入っていますが、実際はただの組織犯罪です。こうした事例は闇バイトに限らず、いろんなところで犯罪の手口として使われています。

裸の写真を送ってしまい、脅迫される「自画撮り被害」でも、学生証と顔の写真を送ったことで状況が悪化することがあります。「SNSでフォローすると現金100万円が当たる」などとプレゼント企画を装い、ダイレクトメッセージで「当選したので本人確認として免許証の写真を送ってください」と画像を送らせて悪用したという例もあります。悪さをする人は、あの手この手で私たちを誘導し利用しようとします。

「スマホで本人確認書類を撮影した写真を送るのは危険です!」と言いたいところですが、マイナンバーカードの申請や、キャッシュレス決済、携帯電話契約の本人確認で、本人確認書類を写真で撮影し、送信することも増えてきています。このようにオンラインで本人確認を行うことを、eKYC(イーケーワイシー)と呼びます。

今年からデジタル庁が発足し、さまざまな手続きをオンライン化する流れが進んでいます。便利になる一方、eKYCの形を装って個人情報を収集する人もいるため注意しましょう。

状況に応じてそのつど本人確認書類の写真を送ってもいいのか、後から脅迫に使われないかを考える必要があります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b4f625c4f1277987c6d0248478b127a07591aef6