韓国、「ウィズコロナ」中断 対応後手、大統領謝罪
2021年12月16日20時31分
【ソウル時事】
韓国政府は16日、新型コロナウイルス対策をめぐり、11月に開始した「ウィズコロナ」政策を中断し、防疫措置を再び強化すると発表した。
文在寅政権は「K防疫(Korea防疫)」を実績として誇ってきたが、性急な日常回復措置が裏目に出て、対応も後手に回った。文大統領は謝罪に追い込まれ、政権末期の求心力低下に追い打ちを掛ける形となった。
新たな措置は18日から来月2日までで、首都圏で6人、それ以外では8人までだった私的な会合の人数制限を一律に4人に減らすことなどが柱。制限がなかった飲食店の営業時間も午後9時までとした。
政府は日常生活回復を目指し11月1日から大幅に制限を緩和したが、デルタ株による感染者が急増し、今月16日発表の新規感染者は7622人。
軽症者は原則在宅医療とする方針を決め、重症者用の病床確保に努めたが、態勢が追い付かず、死者も増加した。
鄭銀敬疾病管理庁長官は16日、「首都圏の重症患者用病床稼働率は90%に迫り、限界の状況」と説明。
「12月中に(新規感染者)1万人、1月に2万人に達するかもしれない」と危機感をあらわにした。
医療関係者らは早くから防疫措置強化を求めていたが、「過去に逆戻りできない」と繰り返してきた文氏がウイルスとの共存を図る「ウィズコロナ」政策の中断に消極的だったという見方もある。
文氏は16日、「重症患者の増加を抑えられず、病床確保などの準備が不十分だった。防疫措置を再び強化することになり、国民に申し訳ない」とのコメントを発表した。
また、防疫措置強化になかなか踏み切れなかった理由の一つは、飲食店などの経済的打撃だ。
損失補償が他の先進国に比べて少ないと指摘されており、文氏は「損失補償と同時に、防疫措置への協力に対し最大限手厚く支援する」と強調した。
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