反対派の都議は「エロ議員」と批判された

会の開始時、主催者の1人である明治大学准教授の藤本由香里氏は、「新改正案は一見前改正案より規制の範囲が明らかになったように見えてそうではない」と集会の意図を説明。

 さらに、作家でPTA活動にも詳しい川端裕人氏の「都職員は各学校のPTAを回って改正案の意図の説明をしたが、意図のみで条文については説明しなかった」「反対派に回った都議会議員に『エロ議員』などと的外れな批判をした保護者がいたため、議員が反対しづらくなった」などの発言を紹介。

 それを証明するものとして、ブログ「空の森」の「東京都青少年健全育成条例。推進派への疑問」(http://ironyt.exblog.jp/15523806/)というエントリーを紹介。PTAの理事会に参加した際、東京都青少年治安対策本部総合対策部少年課副参事が来て、各小中学校のPTA代表の前で「不健全図書」について説明したエピソードが書かれている。

 副参事からは、明らかに18禁の作品が「『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』と同じ棚に並べてある」との説明があったという。

これに対し、日本雑誌協会・編集倫理委員会委員の西谷隆史氏は、「出版界は子どもに読ませたくない本を野放しにはせず、様々な取り組みをしている」と反論。

 成人コミックマーク、成人マーク、出版ゾーニング委員会、18禁マーク、小口シール止め(成人指定するほどではないが青少年が読むのは問題があるグレーなものを簡単に開けられないようにしたシール止め)など、子どもに閲覧させないための取り組みを紹介した。

 さらに西谷氏は、「小口シール止めなどは日本雑誌協会メンバー以外にも参加を促しており、いわゆるアウトサイダーも含めた取り組みになっている上、問題があれば日本雑誌協会に通報もできる」

 「なぜ11月22日になるまで新しい条文が明らかにならなかったのか。第28期青少年問題協議会の答申が元になった改正案が廃案になったのなら、第29期青少年問題協議会を立ち上げて議論すべきではないか」と疑問を呈した。