16日夜、静岡県から南西の方向の夜空を撮影したカメラの映像で、流れ星のなかでもひときわ明るい火球が観測され、同じ時間帯にSNS上で「三重県付近で爆発音のような音がした」という投稿が相次ぎました。
専門家は「音は火球が起こした衝撃波によるものと考えられる」と話しています。
静岡県沼津市から南西方向の空を撮影しているNHKのロボットカメラが16日午後10時13分に夜空を流れる流れ星のなかでもひときわ明るい光を放つ火球をとらえました。
流星を観測する専門家が静岡県富士市に設置した無人カメラにも同じ時刻に南西方向の夜空を流れる火球が映っていました。
またNHKが三重県志摩市や鳥羽市、津市などに設置した複数のカメラの映像では、同じ時刻に夜空が一瞬、明るくなる様子が記録されていました。
さらにSNS上では同じ時間帯に三重県伊勢市付近で「爆発みたいな音がした」とか「窓が揺れた」といった投稿が相次ぎ、地元の警察署や消防にも同じような内容の通報が相次ぎました。
伊勢市の警察と消防によりますと、被害の報告は入っていないということです。
これについて映像を撮影した平塚市博物館の学芸員の藤井大地さんは「火球は三重県の方向に向かって流れていることから、SNSで投稿されている大きな音は火球が低いところにまで落ちたことで起きる衝撃波によるものだと考えられる」と話しています。
藤井さんによりますと、神奈川県平塚市と静岡県富士市に藤井さんが設置したカメラの映像には、強い光を放ちながら落下する火球が映っていました。
藤井さんは、「爆発音のように聞こえた音は火球に伴う衝撃波によるものだと考えられる。火球自体は珍しい現象ではないが、衝撃波を伴う火球は珍しく、国内で把握している中では去年7月、千葉県に隕石(いんせき)が落下した時に報告されて以来だ。隕石として落下したかはわからないが、記録した映像が複数集まれば正確な位置を割り出すことができるかもしれない」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211217/k10013391701000.html