昨年12月、2人の子どもと無理心中を図ろうとしたとして、殺人未遂罪に問われた前橋市の被告の女(28)の裁判員裁判の判決公判が16日、前橋地裁であった。山崎威裁判長は、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役4年)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、被告は昨年12月17日夜、長男(当時9歳)と長女(同5歳)を殺害して自らも死のうと考え、群馬県片品村の駐車場で、3人が車内にいる状態で練炭に火をつけ、一酸化炭素を吸わせて2人を殺害しようとした。知人の通報で駆けつけた警察官が車を見つけて2人を救出、被告を含めた3人にけがはなかった。
検察側は「幼子を殺そうとしたのは極めて身勝手」などと主張したが、判決は「適応障害や性格上の特性は同情すべき」「計画性の高い事案ほどの悪質性はない」などの理由から、執行猶予が適当と結論付けた。
前橋地裁は16日の判決で、犯行について「適応障害により死にたいという気持ちが出現し、性格上の特性により子どもを巻き込もうと考えた」と指摘。事件当時に抱えていたストレスや、家族に甘えた体験が少ない成育環境が影響していると認定した。
被告は一連の公判で、その詳細を語っていた。
「今までのつらい気持ちが一気に頭の中に浮かんで、死にたいなという気持ちになった」。被告は14日の被告人質問で、事件当日をこう振り返った。降りしきる雪の中、自分の車が動かなくなったことで心中を決意した。
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