一方、投資関連の話には積極的で、マーシー氏の財政状況に質問をしたり、資産形成の方法について議論することもあった。ある時、出所後に株を始めてみようと考えていると話すと、「株は女のようなものだ。女がどうしたら幸せになるか、悲しくなるのかを学ぶとするだろう。彼女の心理を理解できれば、ムードを予測することができる」と例え話を始めた。続けて「3つの銘柄について6ヶ月間、国際ニュースとその分野のニュースへの反応を観察すれば、動きを予測できるようになり、うまく取引する準備が整うはずだ。これが株式市場で勝つ方法だ」などと話したという。
エプスタインはその後、特別房との行き来を繰り返した。自殺未遂をした後、何があったかと尋ねると「わからない。深夜に水を飲もうと起きたが、その後のことを覚えていない」と奇妙な答えを返した。
最後に会話をしたのは、特別房に戻る前日だった。エプスタインは、石の床に座って、足の間に発泡スチロールの皿を置いて食事をしていたという。落ち込んだ姿に驚いたマーシー氏が「いったい何をしてるんだ」と話すと、「この方が簡単なんだ」と答えた。この日のエプスタインは、保釈申請を却下されたばかりで、運命を悟ったかのように見えたという。
この時、突然「マーシー。お金は要らないか?」と尋ねたという。答えに躊躇すると、エプスタインは続けて「億万長者の金をいつも使うことができるんだ。車の登録番号を教えてくれ。そうすれば君の帳簿にいくらか金を振り込める」と話したという。
その後一週間ほど、エプスタインの噂を耳をすることはなかった。死亡した朝、房内で食事を摂るよう命じられ、建物は捜査関係者で溢れかえっていたという。
別の特別房にいた囚人は、前日の夜について、誰も出入りをしておらず、エプスタインの房からシーツを裂く音が聞こえたと話したという。マーシー氏は、この話を疑う理由はなく「今日まで、エプスタインは自殺だと信じていると」と記している。
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