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KMバイオロジクスは、新型コロナウイルスワクチンの生産に向けた製造設備を完成させた。新型インフルエンザワクチン量産向けに整備していた施設を改造、品質試験などを行う新棟を立ち上げた。
来春に本稼働し、秋ごろにも供給可能にする。新型コロナウイルスワクチンの実用化を進めつつ、緊急時には生産品目を切り替えやすい「デュアルユース」向け設備立ち上げも検討する。
同社は新型インフルワクチンの製造支援事業で立ち上げた菊池研究所(熊本県菊池市)の施設を活用して新型コロナウイルスワクチンの量産体制を準備。
同研究所内に品質試験などを行う棟を立ち上げ、このほど完成した。永里敏秋社長は16日の竣工式で「何とか順調に進んできたが、これからが最後の山場。力尽きることなく1日も早い上市を目指したい」と話した。
同社が開発するのは、実際のコロナウイルスを不活化したものを抗原として接種するワクチン。完成した製造施設全体の試運転を近く開始し、来年4月の本稼働を目指す。培養から製剤完成まで約6カ月かかる見込みで、順調にいけば10月ごろに出荷できる。現状では年2000万〜2500万回程度の供給が可能とする。
臨床開発では、追加接種、小児向けなどの臨床試験3本を3〜4月中に始める。「前倒し承認」が認められれば、来年中の実用化が可能という。
菊池の製造設備では4500リットルのウイルス培養槽を3基備える。インフルワクチンはアヒルの幹細胞を使う浮遊培養設備だが、コロナワクチン向けにベロ細胞を使ったビーズ培養向けの設備を追加した。
永里社長によると、同規模の培養設備を1棟追加し、国が支援するデュアルユース設備としての運用も考えている。
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