今号の特集は「貧しいニッポン 安売り経済から脱却せよ」。
四半世紀の間、デフレから抜け出せず、賃金も上がらない日本人の購買力が新興国並みに落ち込んでいる──。そんな現状を分析しました。

特集で取り上げた「ガリガリ君」の値上げおわびCMは、米ニューヨーク・タイムズや英フィナンシャル・タイムズなど多くの海外メディアに取り上げられました。
「値上げは悪」と考える日本人のデフレ思考は海外で奇異に受け止められています。

賃金が上がらないから内需が弱く、企業は値上げができない。そのため利益が上がらず、賃上げもできないという悪循環。
そもそも日本人は将来への不安心理が強く、デフレでお金の価値が減らないから個人も企業も貯蓄に回してしまう──。日本が貧しくなった要因は様々に絡み合っています。

しかし、値上げを我慢してきた企業努力も限界に来ています。
コロナ禍で通勤客が減った東急電鉄は十数年ぶりの運賃引き上げに動き、原材料の高騰で吉野家は7年ぶりに牛丼を値上げしました。もう謝る必要はないでしょう。
もうすぐクリスマス。今年は日本経済のために少し財布のひもを緩めてみますか。

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00107/00156/