2月にクーデターを起こした国軍は、昨年選挙のNLD大勝に不正があったとし、2023年に再選挙をするとした。

といっても、多くの国民の支持を得たNLDを壊滅させ、国軍に有利な選挙をもくろんでいるのは明らかだろう。

 スーチー氏の有罪判決に、国連安全保障理事会は「深い懸念」を表す報道声明を出した。

人権や法の支配の尊重、拘束中の人たちの解放を求め、民主主義移行への支援も確認した。

 しかし、常任理事国の中国とロシアがミャンマーの内政問題とする姿勢を変えず、国軍を非難する文言は盛り込まれなかった。

 欧米諸国や国際機関が民主主義に対する「侮辱」「抑圧」と強く非難した中で、日本の林芳正外相は「好ましくない」と懸念を示すにとどめた。残念だ。

 日本は国軍と太いパイプがあるとして、独自にアプローチしているとされる。

しかし、国軍の市民への暴力は収まらず、成果は見られない。新規の政府開発援助(ODA)の停止にとどめず、もっと強い措置を取るべきではないか。

 先日の報道によると、フリーカメラマンが取り調べ中に死亡し、拷問を受けた恐れがあるという。

記者たちは相次いで拘束されており、メディアへの情報統制が進んでいる。

 国軍の苛烈な弾圧を隠すためだろう。それでも、潜行した若者らが会員制交流サイト(SNS)やネットメディアで対抗している。

デモに国軍車両が後方から突っ込んだり、村の住民11人を殺害したりした軍の横暴を伝えている。

 クーデター後の弾圧による死者は1300人を超す。実態は見えにくくなっているが、内外に明らかにするために、世界の目を集めないといけない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f8db0d2165be83189739a951fb16e2537f87d0b7